海上の森 再訪の記憶 – あの日から

海上の森 ~物見山
かいしょのもり~ものみやま
愛知県 瀬戸市
標高:327m  座数:14



1997年10月26日以来、実に久しぶりに足を踏み入れた海上の森。再訪のきっかけとなったのは、万博開催決定の報せでした。しかしその一方で、反対運動の動向も気がかりで、自然を生かした万博が本当に実現可能なのか、自身の目で確かめたいという思いが募りました。

以前訪れた際、愛らしいツチグリに出迎えられた記憶がありましたが、今回もまた、ひっそりと佇むきのこに出会えたことに安堵感を覚えました。足元にはスズカカンアオイらしき植物も顔を覗かせ、慌てて過去の資料を紐解いたものの、残念ながら確信には至りませんでした。

物見山の頂上付近からは、穏やかな瀬戸の街並みが眼下に広がります。遠くの山々には雪の白さが残り、日陰にはまだその名残があり、南国で育った私には、まるで異なる世界に迷い込んだような感覚を覚えました。

そして、目に飛び込んできたのは、水を湛えているはずの「瀬戸大正池」の、思いがけない姿でした。地質調査のためでしょうか、水のない池はどこか寂しげで、人工的な景色とはいえ、これまで自然の力を感じていた場所だけに、複雑な思いが胸に去来しました。

点在する地質調査やボーリングの跡を目の当たりにするにつけ、「何十年もかけて育った森を一瞬に人は奪い去る」という映画の台詞が、ふと頭をよぎりました。

13時20分、海上の森を後にしました。拙い表現ではありますが、今回再訪できたことは、私にとってかけがえのない経験となりました。

帰路の途中、昼食に立ち寄ったお店では、温かいみそ煮込み定食(1100円)と、滋味深い五目うどん(860円)をいただきました。お店の名前は敢えて伏せますが、写真をご覧いただければ、お分かりになる方もいらっしゃるかもしれません。どちらも本当に美味しくいただきました。(残念ながら、このうどん屋さんは2005年9月に廃業されたとのことです。)

海上の森の豊かな自然と、心温まる美味しい食事に、深く癒された一日でした。