幻想的な霧と藪漕ぎの先に待ち受けていた、恐怖の吸血鬼との遭遇

鍋尻山-撤収
なべじりやま
滋賀県 多賀町
標高:838m  座数:—


 まずは、「鍋尻山」を目指して、無人のはずの集落から登り始めます。到着した時は人影(おばあちゃんに見えたのですが)があったので、道を聞こうと思った時はどこにも姿が見えませんでした?

登山口を見つけるのに少し手間取りましたが、いざ歩き始めると、すぐに深い藪漕ぎが始まりました。しかし、そんな苦労の先には、鮮やかなトリカブトの花が群生する、息をのむような美しい景色が広がっていました。

さらに進むと、あたりは一面のススキに覆われ、濃いガスが発生。その幻想的な雰囲気に、思わず足を止めて見入ってしまいました。と、その時、何気なく自分の足元に目をやると「んっ、げげっ」。

この場所の気温は20度くらい。すっかり油断していた私たちは、信じられない光景を目にします。「おい、やばい、いるわ」。

慌てて二人で足元を確認すると、そこにいたのは無数のヤマビル!大小取り混ぜて、私の足と靴、ズボンには5~7匹、Junちゃんの足にも数匹が蠢いています。私たちは反射的に小枝を拾い上げ、必死の格闘を開始しました。

私の登山靴の中にはすでに3匹が侵入しており、そのうち1匹は靴下の縫い目からしっかりと潜り込んでいる始末。

「さて、どうするヨ」「どうしょうか・・」。そんな言葉を交わしながら、山頂を目指すか、下山するかを瞬時に判断。格闘が終わると同時に「せーの、GO!!」の合図で、私たちは全速力で下山を開始しました。その決断力、行動力、そして何よりも阿吽の呼吸とも言える団結力は、ひょっとするとその辺りの政治家の方々にも見習っていただきたいほどです。

集落まで戻る間も、何度もヤマビルを払い落とし、到着して改めてチェックすると、登山靴の縫い目や靴ひもの裏側、ズボンにもしっかりと吸い付いていました。これほどまでに手強いヤマビルは初めての経験です。

互いの体を入念にチェックし、退治すること30分近く・・・。

今回の被害は、私が足首を一カ所吸われただけで済みましたが、久しぶりの山で思わぬ献血をするとは夢にも思いませんでした。

もちろん、登山はここで断念。近くの風穴を見学し、急遽観光モードへと切り替えました。

5月に問題なく登られた方もいるようなので、10月の後半であれば、同じような状況で登れるのかもしれません。

しばらく山登りはお預けになりそうですが、あのヤマビルたちに「俺の休みを返せ~っ!」と叫びたい気持ちです。しかし、これも豊かな自然の証なのでしょうか。本当に、ヤマビルには全く敵いません・・・。

それにしても、あの廃村には、人の気配が全く感じられませんでした。